メンタルダウンによる休職後の職場復帰に関しては、復帰そのものよりも復帰後どれくらいのパフォーマンスを発揮できるのか？復帰後の再休職を防ぐためにはどうすればよいのかを考える必要があります。

　何より安全配慮義務に照らし合わせて安全で症状を悪化させない仕事の選定の仕方、異動、時によっては復職不可とする要件なども押さえておく必要があります。そのためには、どれくらい仕事ができるのかという復職準備性の考え方も重要と思われます。就労制限の解除タイミング、症状悪化サインをどう考えるか、精神科主治医とのやり取りの勘どころなど産業医が果たす役割は大きいと考えられます。

　また復職後の職場の公平さを保つことや復職中止を決断する再休職の条件なども復職時に明確なルールとして本人と健康管理室、人事が共有しておかないと後から問題となることとなります。

　本人に求められる自己保健義務・会社が提供する安全配慮義務と合理的配慮義務をどうバランスしていくのか？を判例をもとにしながら皆様と議論したいと思います。